似すぎ!?歌舞伎俳優一族の家系図と家柄一覧を紹介!屋号に序列はある?

最近は歌舞伎俳優でもテレビ、舞台、映画、CMなど幅広く活躍している方も多く、一昔前に比べると歌舞伎俳優の認知度は上がっているのではないでしょうか。しかし、歌舞伎 屋号や家柄についてはあまり知られていませんよね。そこで今回は、歌舞伎俳優の家柄や歌舞伎 屋号の序列について調べてみました!

目次

現在の主な歌舞伎 屋号一覧(50音順)

歌舞伎 屋号は江戸時代のはじめ頃に商人や大きな農家にならって用いるようになったそうで、市川團十郎家の「成田屋」が歌舞伎 屋号の始まりと言われています。初代團十郎が成田山を信仰したことから「成田屋」となったとのこと。他家では、父祖の商号や出身地などから様々な歌舞伎 屋号が生まれました。

  • 明石屋/伊丹屋/音羽屋/澤瀉屋
  • 加賀屋/河内屋/紀伊国屋/喜の字屋/京扇屋/京屋/高麗屋
  • 桜㐂屋/十字屋
  • 高砂屋/高島屋/高嶋屋/瀧乃屋/滝野屋/橘屋/天王寺屋
  • 中村屋/成駒屋/成駒家/成田屋
  • 播磨屋/日高屋
  • 松島屋/松嶋屋/松鶴屋/松美屋/三河屋/緑屋/美吉屋
  • 山崎屋/山城屋/大和屋/八幡屋/萬屋

歌舞伎の「名跡」と「襲名」とは?

歌舞伎は今から420年前に始まった歴史ある日本の伝統芸能で、何代も受け継がれる歌舞伎俳優の芸名は「名跡(みょうせき)」と呼び、名跡を継ぐことを「襲名(しゅうめい)」といいます。歌舞伎俳優は経験を積み、名跡を順に取り換えて、やがては大きな名跡を継ぐことを伝統としています。最近では2020年に市川海老蔵さんが十三代目市川團十郎を、そして長男・勸玄くんが八代目市川新之助に襲名しています。

歌舞伎 屋号・家柄の序列はあるの?

歌舞伎の世界にはコンテスト等の競い合う場が無いため、芝居の上手い下手を判断する絶対的な基準がありません。そのため、家柄の序列を決めるとするならば「その家が何代続いているか」ということがポイントになります。また、歌舞伎俳優だとどのくらい集客できるかというのもポイントとなり、稼げる歌舞伎俳優が「格上」ということになるのではないでしょうか。こちらでは歌舞伎界で特に格が高いとされている歌舞伎 屋号を挙げてみます。

成田屋(なりたや)

  • 主な名跡と俳優:市川團十郎(13代目)/市川海老蔵(11代目)※空き名跡/市川新之助(8代目)

江戸時代に客を集め芸を披露するスタイルを最初に始めたのが市川團十郎だと言われています。彼の芸には華やかさや力強さがあり、たちまち江戸中で評判になったのだとか。これが歌舞伎のはじまりとなり、名跡・市川團十郎は「歌舞伎界の大黒柱」と呼ばれ、最も権威ある名跡とされています。ということは、十三代目市川團十郎さんが現在の歌舞伎界のトップかというとそうではなく、46歳の市川團十郎さんはまだ修行の身。歌舞伎界の重鎮とされる七代目尾上菊五郎さんや二代目松本白鸚さんらには頭が上がらないそうです。ただ、このままいけば市川團十郎さんが歌舞伎界のトップに君臨することは間違いないはずです。

音羽屋(おとわや)

  • 主な名跡と俳優:尾上菊五郎(7代目)/尾上菊之助(5代目)/尾上松也(2代目)

音羽屋は、京都で「都万太夫座」の芝居茶屋を営んでいたことから始まり、清水寺境内にある「音羽の滝」がその名の由来となっています。現在は七代目尾上菊五郎さんと息子・五代目尾上菊之助さんが宗家となっており、俳優としても活躍する二代目尾上松也さんは、将来の音羽屋を担う存在になるのではないでしょうか。現在、人間国宝でもある尾上菊五郎さんは日本俳優協会理事長と伝統歌舞伎保存会会長も務めており、実質的には歌舞伎界を代表する存在であると言えます。

高麗屋(こうらいや)

  • 主な名跡と俳優:松本白鸚(2代目)/松本幸四郎(10代目)/市川染五郎(8代目)

初代松本幸四郎が若い頃、江戸神田の「高麗屋」という商店で働いていたのがその名の由来になっています。高麗屋は成田屋の弟子筋にあたり、成田屋が跡継ぎに恵まれなかった時には高麗屋から養子を出すこともあるそうです。十二代目市川團十郎さんと二代目松本白鸚さんはいとこ同士で、十三代目市川團十郎さんと十代目松本幸四郎さんははとこ同士となり、血縁関係も深いです。また、松本白鸚さんはミュージカル「ラ・マンチャの男」やドラマ「王様のレストラン」(フジテレビ)など俳優としても活躍しており、娘・松たか子さんも月9ドラマに多数出演している人気女優でもあるため、歌舞伎ファン以外からも知られている家柄です。

中村屋(なかむらや)

  • 主な名跡と俳優:中村勘三郎(18代目)※空き名跡/中村勘九郎(6代目)/中村勘太郎(3代目)/中村七之助(2代目)

歌舞伎だけではなく、ドラマや映画、CMなどにも多数出演していた故・十八代目中村勘三郎さん。息子である六代目中村勘九郎さんと二代目中村七之助さんもテレビ出演することが多いことから、「中村屋」は歌舞伎ファン以外の方にも知られているのはないでしょうか。中村勘三郎さんは江戸の世話物から上方狂言、時代物、新歌舞伎から新作など、幅広いジャンルの役柄に挑戦。また、コクーン歌舞伎や平成中村座を立ち上げるなど、歌舞伎界の発展に尽力してきたことでも知られています。中村勘三郎さんの活躍により知名度の高い「中村屋」ではありますが、中村勘九郎さんはまだ42歳ということもあり、歌舞伎俳優のランクは下の方になります。

成駒屋(なりこまや)

  • 主な名跡と俳優:中村歌右衛門(6代目)※空き名跡/中村芝翫(8代目)/中村福助(9代目)/中村児太郎(6代目)

初代中村歌右衛門が関係の深かった四代目市川團十郎から「成駒柄」の着物を贈られたことに感謝し、四代目中村歌右衛門が加賀屋を改め「成駒屋」に変えたのが始まり。八代目中村芝翫さんの妻はタレントの三田寛子さんで、息子3人は四代目中村橋之助、三代目中村福之助、四代目中村歌之助。成駒屋3兄弟として成駒屋を支えています。

澤瀉屋(おもだかや)

  • 主な名跡と俳優:・市川猿翁(2代目)※空き名跡/市川猿之助(4代目)/市川中車(9代目)/市川團子(5代目)

二代目市川猿翁 若い頃、二代目松本白鸚(当時の市川染五郎)、二代目中村吉右衛門(当時の中村萬之助)との十代トリオで「十代歌舞伎」と呼ばれ人気を集めていました。2011年、俳優の香川照之さんが両親の離婚後確執のあった父・市川猿翁と和解し、46歳で歌舞伎界入り。九代目市川中車を襲名したことでも話題となりました。また、市川中車さんの息子も五代目市川團子として歌舞伎デビューを果たし将来が期待されています。ただ、2022年に市川中車さんの女性への性加害、2023年5月には市川猿之助さんが母親の自殺ほう助の疑いで逮捕されるなど、澤瀉屋の今後の動向が気になるところです。

松嶋屋(まつしまや)

  • 主な名跡と俳優:片岡仁左衛門(15代目)/片岡孝太郎(初代)/片岡愛之助(6代目)/

15代続いている大名跡「片岡仁左衛門」を筆頭とする松嶋屋ですが、屋号の由来は不明です。松嶋屋で最も知名度が高いのは女優・藤原紀香さんを妻に持つ六代目片岡愛之助さんですが、片岡愛之助さんは二代目片岡秀太郎の養子であり、生まれは一般家庭。そのため、歌舞伎界で片岡愛之助さんは格が低く、明治座などで座頭をすることはあっても、歌舞伎座で大きな役が回ってくることはありません。ただ、大人気ドラマ「半沢直樹」(TBS)での演技が話題となり、人気と実力は兼ね揃えているので集客力は十分にあります。

まとめ

今回は、実はあまり知られていない歌舞伎俳優の家柄や歌舞伎 屋号の序列についてまとめてみました。歌舞伎 屋号だけでいうと市川團十郎さん率いる成田屋がトップとなり、それに次ぐのが歌舞伎界の重鎮が率いる音羽屋や高麗屋であることが分かりました。若くして歌舞伎界の大名跡を継いだ十三代目市川團十郎さんの今後や、尾上松也さんや片岡愛之助さんらテレビの世界でも活躍している歌舞伎俳優の今後にこれからも注目ですね!

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